まとめ記事モルガン・スタンレーが警告──AIブームで42年の巨人アドビに試練
背景:生成AIがアドビの庭に侵入
ChatGPTは週7億人のユーザーを抱えるまでに急成長し、ユーザーの期待水準を一変させた。さらにCanvaは「Magic」機能で月間2.2億人、FigmaもAI機能を統合し、競争環境は激化。
アドビは対抗策としてFireflyをCreative Cloudに統合、Acrobat AI AssistantやGenStudioを投入し、AIシフトを鮮明にした。99%のフォーチュン100企業がAIをアドビ製品で利用するという実績もある。
しかし株式市場は冷静だ。株価は年初来で20%以上下落し、生成AIが真の収益成長をもたらすかに懐疑的な視線が集まっている。
モルガン・スタンレーのダウングレード
モルガン・スタンレーのトップアナリスト、キース・ワイス氏はアドビ株を「オーバーウェイト」から「イコールウェイト」に格下げ。目標株価も520ドルから450ドルへ引き下げた。
指摘されたポイント
- AI収益は遅れている:ARR(年間経常収益)の伸びは鈍化しており、AIの収益化スピードが追いついていない。
- 競争激化:CanvaやFigmaに加え、GoogleやMetaといった大手テック企業も攻勢を強めている。
- 株価リセット:目標株価を15%近く下げ、成長余地が限定的であることを示唆。
数字が示す現実
アドビのデジタルメディアARRは、2025年第2四半期に1,809億ドル(前年比+12.1%)、第3四半期に1,859億ドル(前年比+11.7%)に到達。しかし成長率は減速し、AIによる「加速的な成長」は確認できていない。
一方で経営陣は強気だ。
- CEO シャンタヌ・ナラヤン氏:AI影響ARRが500億ドルを突破
- CFO ダン・ダーン氏:AIファースト製品のARRが2.5億ドルを超え、計画を前倒しで達成
それでも市場は、マーケティング上の「AI成功物語」と、実際のARR成長の乖離に注目している。
今後の焦点
アドビは確かにAI機能を急速に拡充し、大手企業での導入も進んでいる。しかし、ARR成長率の停滞は「収益化が伴っていないのではないか」という疑念を払拭できていない。
投資家の問い
- 本当にAIは新たな収益エンジンになり得るのか?
- CanvaやFigmaに対抗し、差別化を保てるのか?
- 株価下落を反転させる材料はいつ見えるのか?
モルガン・スタンレーの指摘は、アドビが「AI採用の広がり」から「実際の収益成長」へ橋渡しできるかどうかが試されていることを示している。

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