
Search ConsoleのデータをAIに分析させる方法|CSVの準備と指示文を詳しく解説
シリーズ:AIと一緒に見直すコンテンツ
Search Consoleには、ページごとのクリック数や表示回数、検索語句など、記事を見直すためのデータがあります。CSVにエクスポートしてAIに分析させれば、改善候補や検索意図の仮説を整理できます。
ただし、AIにCSVを渡せば、記事の問題や削除対象が自動で正しく分かるわけではありません。データの範囲を明確に伝え、AIの回答を検証する必要があります。
この記事では、Search ConsoleからCSVを準備する方法、AIに渡す前の整理、分析を依頼する指示文の例を紹介します。コンテンツ監査の全体的な進め方は、AIでブログ記事を見直す方法|Search Consoleのデータから改善案を作るも参考にしてください。
AIに分析させる前に、目的を決める
最初に「何を知りたいのか」を決めます。目的が曖昧なままデータを渡すと、AIは一般的な改善案を並べるだけになりがちです。
たとえば、次のような目的があります。
- 表示回数は多いのにクリックが少ないページを探す
- クリック数が大きく減ったページを見つける
- ページと検索語句の組み合わせから、検索意図を整理する
- リライトや統合を検討するページの候補を作る
- 以前の期間と比較し、変化の大きいページを確認する
Search Consoleのパフォーマンスレポートでは、クリック数、表示回数、CTR、平均掲載順位を確認できます。これらをページや検索語句などの単位で見て、分析したい内容に合わせてCSVを用意します。
1. Search Consoleで対象期間を設定する
Search Consoleで対象サイトを選び、「検索結果」のパフォーマンスレポートを開きます。
期間は、目的に合わせて設定します。
- 直近の状況を確認する:過去3か月程度
- 長期的な変化を確認する:過去12か月程度
- 季節変動を考慮する:前年の同じ期間と比較する
公開直後の記事や更新したばかりの記事は、十分なデータがない場合があります。期間を短くしすぎず、比較対象もできるだけ条件をそろえましょう。
検索タイプ、国、デバイスなどのフィルタを使う場合は、どの条件でデータを出したのか記録しておきます。条件が異なるCSVをまとめてAIに渡すと、比較結果を誤って解釈する可能性があります。
2. 目的に合わせて「ページ」と「検索語句」を出力する
記事単位の棚卸しには、まず「ページ」タブのデータを使います。対象ページのURL、クリック数、表示回数、CTR、平均掲載順位を確認できます。
検索意図も調べたい場合は、「検索語句」タブのデータも準備します。特定の記事について詳しく調べるなら、ページのURLで絞り込んでから「検索語句」タブを開き、そのページがどの検索語句で表示されたかを確認します。
最初からすべてのデータを一つのCSVに詰め込まず、次のように分けると扱いやすくなります。
pages_2026-07-01_2026-09-30.csv:ページごとの全体傾向queries_page-example_2026-07-01_2026-09-30.csv:特定ページの検索語句
3. CSVをエクスポートする
レポートのエクスポート機能から、Googleスプレッドシート、Excel、CSVなどの形式を選択します。AIツールがCSVを直接読み込めない場合は、スプレッドシートで必要な行や列を整理してから、対応している形式で渡してください。
エクスポートされるのは、レポートで選択した期間やフィルタ、表示中のデータです。また、画面やエクスポートには表示件数の制限があり、検索語句にはプライバシー保護のため表示されないものもあります。したがって、CSVを「サイトの全検索データ」として扱わないようにしましょう。
4. AIに渡す前にCSVを整理する
CSVの列名と数値が読み取れることを確認し、分析に不要な列を削除します。少なくとも、ページ分析ならURL・クリック数・表示回数・CTR・平均掲載順位を残します。検索語句分析なら、検索語句と対象ページ、各指標を残します。
あわせて、次の情報をAIへの指示に書き添えます。
- 対象サイトの内容や事業
- 集計期間と比較期間
- 検索タイプや適用したフィルタ
- CSVが全データではなく、Search Consoleから出力した範囲であること
- CTRや平均掲載順位などの指標の意味
顧客情報、個人情報、社外秘の情報など、分析に不要な情報は含めないでください。利用するAIサービスのデータの取り扱いや、ファイルのアップロード条件も確認しましょう。
5. AIに分析を依頼する指示文の例
次の指示文をベースに、目的やサイトの内容に合わせて調整できます。
あなたは、Search Consoleのデータを使ってコンテンツ改善の候補を整理するアシスタントです。
添付したCSVは、Google Search Consoleの検索結果パフォーマンスレポートから出力したデータです。対象期間は【期間】、比較期間は【比較期間またはなし】です。対象サイトは【サイトの内容・事業】です。
このCSVはSearch Consoleで表示・出力された範囲のデータであり、サイトの全検索データではありません。CSVに含まれない事実を推測で補わず、数値から確認できる事実と、そこから考えられる仮説を分けてください。
次の観点で分析してください。
- クリック数や表示回数が大きく変化したページ
- 表示回数に対してクリック数が少ないページ
- 検索語句から考えられるページの検索意図
- ページの内容と検索語句が合っていない可能性
- リライト、内容の追加、統合などを検討できる候補
結果は表にして、各ページについて「確認できた数値」「考えられる仮説」「提案する対応」「人が追加で確認すること」を示してください。
クリックが少ないことや表示回数がないことだけを理由に、記事の削除を勧めないでください。判断材料が不足している場合は、結論を出さず「追加確認が必要」と書いてください。
「CTRが低いページを探す」のように、特定の作業だけを依頼する場合は、分析観点を絞ると結果を確認しやすくなります。
6. AIの回答を人が確かめる
AIが挙げた候補は、そのまま改善指示として使わず、元のCSVと記事の内容を照らし合わせます。
- AIが引用したクリック数や表示回数はCSVと一致しているか
- 検索語句は、記事が答えるべき内容と本当にずれているか
- クリック減少は、季節性や検索需要の変化でも説明できないか
- 問い合わせや購入など、検索以外の成果に貢献していないか
- 統合先に、元の記事の内容を受け止める十分な情報があるか
Search Consoleの順位やクリック数だけでは、問い合わせや売上への貢献までは分かりません。必要に応じてGA4などのデータも確認し、記事がサイト内で果たしている役割を含めて判断します。
よくある質問
CSVを渡せば、AIはサイト全体を分析できますか?
いいえ。AIが分析できるのは、渡したCSVに含まれるデータです。Search Consoleの画面やエクスポートには表示上の制限があり、プライバシー保護のため検索語句が表示されない場合もあります。結果をサイト全体の完全な一覧として扱わないでください。
AIに検索語句の検索意図を判断させられますか?
検索語句を分類し、意図の候補を挙げてもらうことはできます。ただし、短い語句だけでは複数の意図が考えられる場合があります。実際の検索結果や記事本文も見て、人が判断してください。
AIの提案どおりに記事を削除してよいですか?
AIの提案だけで削除を決めないでください。検索流入、問い合わせへの貢献、被リンク、内部リンク、記事の役割、内容を引き継ぐ移転先などを確認してから判断します。
Search ConsoleのCSV分析は、記事を自動で評価する仕組みではなく、見直す候補を見つけるための補助です。データの対象範囲を明示し、AIには根拠と仮説を分けて答えさせ、人が記事の内容や事業上の役割を確認することで、改善作業の出発点として活用できます。
