ジャック・ドーシー氏が共同創業した決済大手Blockの小規模なAI研究ラボが、音声対話モデル「Dessa(デッサ)」を発表しました。同社によると、Dessaは「人間の会話の音声だけで、ゼロから学習した」モデルで、テキストや既存の事前学習モデルは使っていないとのことです。
最大の特徴は、音声を入力して音声を出力する「全二重(フルデュプレックス)」方式であることです。人間の会話のように、聞きながら同時に話すことができ、「うん」「なるほど」といった相づちも自然に入れられるとされています。また、笑い、間、ため息、皮肉といった感情表現を、タグなどで指示するのではなく、モデルが音声として直接扱えると説明されています。一般的な音声AIは、言語モデルが作ったテキストを読み上げる構成が多いため、それとは異なるアプローチです。
動作環境も特徴的です。Blockは、DessaをMacBook Pro(M4 Max相当以上)でローカルに動かせると説明しており、推論はリアルタイムより速いとしています。学習にはNVIDIAのGB200 NVL72を1ラック使ったとのことです。端末内で動くため、将来的には、より低コストで業務用・一般向けの音声サービスに組み込める可能性があります。TechCrunchは、Blockが金融サービスを小規模事業者に提供しており、Squareですでに音声AIによる注文受付が使われている点にも触れています。
ただし、現時点でDessaは一般には公開されていません。公式ページにはウェイティングリストとアクセス申請フォームが用意され、Blockは、リスクを洗い出すために少数のAI安全性研究者へ先行アクセスを提供するとしています。価格や、オープンウェイトとして公開されるかどうかは、確認できた範囲では明らかにされていません。
人間らしすぎる音声は、なりすましや詐欺への悪用が懸念される分野でもあります。安全性の検証がどう進むか、そして一般提供の時期や条件がどうなるかが、次の注目点です。
出典: Block「Dessa」
