
Google、新モデル「Gemini 3.8 Flash」を発表 サイバーセキュリティ特化版「Cyber」も同時投入
Googleが軽量・高速モデル「Gemini」シリーズの最新版として「Gemini 3.8 Flash」と、サイバーセキュリティ用途に特化した派生モデル「Gemini 3.8 Flash Cyber」を発表した。わずか6週間で3回目となるFlashシリーズの投入であり、トップクラスのモデル開発競争において存在感を示す狙いがあるとみられる。
Gemini 3.8 Flashは、ソフトウェア開発・自律エージェント・複雑な多段階推論向けにGoogleが新たに推奨するモデルだ。長時間にわたるソフトウェアエンジニアリング能力を測るベンチマーク「DeepSWE v1.1」では、より大規模で高コストなフロンティアモデルの多くを上回る成績を、はるかに低いコストで達成したと報告されている。
特に注目されるのがCyber版だ。20種類のプログラミング言語にまたがる複雑なコードベースを解析し、隠れた重大な脆弱性を発見・修正できるとされ、セキュリティ関連ベンチマーク「CyberGym」で86.2%、パッチ生成能力を測る「CWE-Bench」で47.2%のスコアを記録した。GoogleのChromeセキュリティチームによる検証では、既存の大規模商用モデルと比べて2.6倍多くの正しい脆弱性パッチを生成できたという。ただしCyber版は一般公開ではなく、政府機関や重要インフラ事業者、ソフトウェア保守事業者などを対象とした新プログラム「Fairwind Program」の参加者限定での提供となる。
料金面では、Gemini 3.8 Flashは入力100万トークンあたり0.75ドル、出力100万トークンあたり3.75ドルに設定されており、2026年12月31日まではこの価格が維持され、2027年1月1日からはそれぞれ1.50ドル・7.50ドルに引き上げられる予定だ。すでにGemini アプリ(AI Pro/Ultra契約者向け)やAIモード、Google スプレッドシートのGemini機能のほか、開発者向けにはGoogle Antigravity、AI Studio、Gemini APIを通じて利用可能になっている。
安価かつ高性能なモデルを立て続けに投入しつつ、防御的サイバーセキュリティに特化した専用モデルまで用意したことは、生成AIの競争軸がもはや「賢さ」だけでなく「実務での即応性」や「専門領域での信頼性」にも広がっていることを示している。

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