August 20, 2025

OpenAI、一時チャットへの暗号化導入を検討


ChatGPT利用者は日常的に医療や法律相談などの機微情報を入力しています。しかし、これらは医師や弁護士との会話のような法的守秘特権がなく、情報保護の不十分さが課題となっています。これを受け、OpenAI CEO サム・アルトマン氏は、一時チャットへの暗号化導入を最初のステップとして検討中と発表しました。


OpenAI、一時チャットへの暗号化導入を検討

主なポイント

  1. 対象は一時チャットから
    • 一時チャットは履歴に残らず、モデル学習にも使用されない。
    • 安全性のため最大30日間保持されるが、削除後も連邦裁判所の命令で一時的に保持義務あり。
    • 暗号化はこの領域から導入が見込まれる。
  2. 暗号化の難しさ
    • メッセージングアプリのE2EE(エンドツーエンド暗号化)は、サービス提供者が内容を読めない仕組み。
    • しかしチャットボットの場合、プロバイダー自体が会話の一端を担うため、完全暗号化が困難。
    • Appleは「Private Cloud Compute」で部分的にこの問題を解決しており、OpenAIも類似の仕組みを模索。
  3. 長期的な課題
    • ChatGPTの長期メモリーやサービス機能は、データへのアクセスが前提。全面暗号化するとサービス提供に制約が出る。
    • それでもアルトマン氏は「AIを医療・法律相談に利用するなら、同等の法的保護が必要」と強調。
  4. 法執行機関との関係
    • 現状、政府や法執行当局からのデータ提供要請は年間二桁程度にとどまる。
    • ただし「大規模な事件が一度でも起これば、社会的圧力が一気に高まる」と警鐘を鳴らした。

アルトマン氏の姿勢

  • 当初は優先課題ではなかったが、利用者が非常に個人的な悩みを吐露している現実を受け、考えが変化。
  • 「AI特権(AI privilege)」という概念を提唱し、弁護士や医師と同様の守秘性をAI利用にも拡張すべきと主張。
  • 議員の多くもプライバシー保護に前向きだが、法整備に時間がかかる可能性が高い。

結論

OpenAIは現状、完全なE2EE導入には至っていないものの、**「一時チャットの暗号化」**を入口にデータ保護を強化する方針を示しています。今後の展開は、

  • 技術的ハードルの克服、
  • サービス機能とのバランス、
  • 政府とのデータ提供を巡るルール作り、
    にかかっており、社会的にも「AIにおけるプライバシー権」が大きな論点となりそうです。

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