以下は、Nieman Journalism Labの記事「Generative AI models love to cite Reuters and Axios, study finds」(2025年7月24日発表)をもとにしたまとめ+解説です。
【解説まとめ】生成AIはReutersやAxiosなど報道機関をよく引用する―Muck Rack調査
要点:何がわかったのか?
- 生成AI(ChatGPT、Gemini、Claude等)は、最新情報が必要な問い(=「最近の出来事は?」「今の米国レンタカー不足は?」など)に対する回答で、約半数(49%)に報道機関の記事を出典として引用している。
- ジャーナリズム系メディアが全体の約27%、特に速報・時事性が高い質問では49%と急増し、企業ブログや政府・NGO情報よりも利用頻度が高い。
- 最もよく引用されたのはReuters、Axios、Financial Times、Time、Forbesなど主要な英語圏ニュースメディア。
- ChatGPT(OpenAI)やGemini(Google)はReutersやAxiosなど「信頼性のある報道」を上位に多く引用。一方Claude(Anthropic)はやや一般向け、企業/ビジネス誌寄りの傾向が見られた。
- 最新記事をより多く引用したのもChatGPTで、出典ジャーナリズム記事の56%が1年以内のものであった(Claudeは36%)。
業界別の傾向
- メディア・金融・行政などの分野ではジャーナリズムの引用比率が高い。
- 一方、主観的なアドバイスや手順(「〇〇のやり方は?」など)の質問では企業ブログ等、非報道コンテンツを多く引用。
なぜAIはニュース記事をたくさん使うのか?
- AIモデルは「最新の事実」に対する精度を高めるため、ジャーナリズムサイト=信頼された、頻繁に更新される情報源を優先して参照する。
- リアルタイムWeb検索や最新データ取得機能をONにすると、こうしたAIは積極的にニュースサイトをクロール・引用している。
- 実際、Web検索オフにするとAIは古い・不正確な情報を返しやすいとの指摘も。
一方で見逃せない課題も
- AIによる「正規ソース」の引用は増えているが、出典URLの捏造(“ハルシネーション”)や、出典記事の二次配信・コピーサイトへのリンク誘導など、引用クオリティにはまだ大きな課題があると指摘されている。
- 多数のAIがニュースから引用する結果、元記事サイトへのアクセス流入が減る、尾ひれ記事が増えるなど、報道機関とAI開発の関係性も今後要注目。
日本から見た考察
- 日本語圏AIでも日経・共同など大手報道を「最新系AI」が多用する傾向が強まると予想され、コンテンツ管理や著作権への議論が加速しそうです。
- また、AIの引用頻度がビジネスモデルやライセンス契約に直結する時代となりつつあり、メディア側は「引用されても損しない」戦略の検討が必須。
まとめ
生成AIは情報鮮度の高い質問には報道機関コンテンツを積極的に引用して回答している。特に信頼性や知名度のあるニュースメディアが「AIの引用競争」で優位に。
一方で、正確な出典提示や著作権ケアなど未解決の課題も多く、AI×ジャーナリズムの関係は今後一層注目される分野となるでしょう。
出典:
- Andrew Deck, “Generative AI models love to cite Reuters and Axios, study finds”(Nieman Journalism Lab, 2025年7月)
- Generative Pulse by Muck Rack 調査レポート
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